プレゼンの企画において、主題や目的を明確にすることが、その後のプレゼンを大きく左右します。プレゼンの企画方法を学習しましょう。
企画はプレゼンの最初のステップであり、このステップでこれから実施するプレゼンの主題や目的を明確にします。
プレゼンの企画では、プレゼンの主題・目的を明確にし、さらに目指すゴールも明確にします。
それらの内容は「プレゼンプランシート」と呼ばれるものを使ってまとめると、わかりやすく整理できます。
次のような項目について考えると、プレゼンの主題や目的が明確になります。
・何のために実施するのか
・プレゼンによって最終的に得たいもの(プレゼンのゴール)は何か
・プレゼンの範囲はどの程度にすべきか
・どのような方法でプレゼンを行うのか(スライドを投影し配布資料も使用、配布資料だけで説明など)
・聞き手はだれか、どのような立場の人か
・プレゼンの主題に対して、聞き手が持っている前提知識や理解力はどれくらいなのか
・聞き手のニーズは何か
・プレゼンに必要な情報をどのように収集するのか
・プレゼンを準備するにあたって、解決しておかなければいけない課題はないか(聞き手の分析不足など)
・説得するためのプレゼンで、何らかの意思決定をしてもらうことが目的の場合、具体的にどういう意思決定をしてほしいのか
・情報を提供するためのプレゼンで、何かを理解してもらうことが目的の場合、理解してもらいたい内容は何か
主題や目的が明確になっていると、聞き手を説得できるプレゼンを実施することができます。
プレゼンの企画では、主題・目的を明確にすると同時に、目指すゴールが何であるかを明確にすることも大事です。
情報を提供するためのプレゼンであっても、情報を伝えることが目的ではないはずです。
ゴールが明確になったら、そこに向かって進めるようにシナリオを作ります。
必要な情報を集めてプレゼン資料としてまとめ上げたうえでプレゼンを実施します。
その過程で阻害要因があるときは、その要因を排除するための解決策を考えます。
阻害要因には、次のようなものが考えられます。
・必要な資料がそろわないため、内容がまとまらない
・出席予定者が予想よりもかなり少ないことが分かった
・プレゼンの時間を半分に減らさなければならなくなった
・キーパーソンが欠席することがわかった
企画した内容は、プレゼンプランシートにまとめると内容が明確になり、複数の担当者が1つのプレゼンを担当する場合でも、内容に対する共通の認識を保つことができます。
プレゼンプランシートには、次のような項目があると使いやすくなります。
・主題
・お客様名
・開催日時
・開催場所
・発表者
・出席予定者
・所要時間
・実施方法
・目的・狙い
(プレゼンの具体的な目的、プレゼンの形態、伝えたい重要なメッセージ、理解してほしいことなど)
・ゴールのイメージ
(どうなれば成功といえるのかを5W2Hで考える。第1目標、第2目標、第3目標などを明示する。)
・訴求ポイント
・備考
5W2H…What Who Why When Where How How much で
分析して考えること。
外部の会社に対するプレゼンであれば、その会社がどのような事業に力を入れ、どれくらいの売上やシェアを持っているのかなどの情報を調べておくと良いでしょう。
時間が無いときは、会社のWebページを見て、概要だけでも頭に入れておくことも必要です。聞き手に関して事前に知っておきたい内容には、つぎのようなものがあります。
特に、社外に対して行うプレゼンでは大事です。
次のような聞き手の属性を確認しておきます。
・職種
・所属、地位、経歴
・年齢層、性別
・キーパーソンは誰か
次のような聞き手の目的・前提条件を確認しておきます。
・聞き手がプレゼンに出席する理由・目的
・何に興味をもっているのか、プレゼンの主題に対する興味はどうか
・聞き手の価値観や判断基準
・主題に対する聞き手の知識
・禁句(触れてはいけない話題や使ってはならない言葉など)
・プレゼンの主題が、聞き手に与えると思われる影響
その他何かあれば、確認して明確にします。たとえば、次のようなものを考えます。
・出席者の人数
・競合会社の有無
聞き手のニーズをしっかり把握するためには、事前に聞き手に会ってヒアリングを実施するのも効果的です。
そうすることで、聞き手の利益も考えながら受け入れやすい内容に組み立てていくことができるようになります。
発表者が十分な情報を持っている場合はそれを活用できますが、情報が不足している時や客観性を高めたいとき、明確な根拠を示したいときなどは、適切な事例、データ、実体験などが必要になります。
しっかりした根拠を示すためには、その裏付けとなる信頼性の高い事例やデータを集めなければなりません。適切な情報が得られれば、プレゼンの説得力を高めるのに役立ちます。
情報は自分自身で集める場合と、公表されているものを利用する場合があります。
自分自身で集める方法には、関係者へのヒアリング、アンケート、観察、実体験などがあります。
いずれの方法も、調査時期、期間、調査場所、調査対象、調査方法・内容などによって、その価値や信頼性が左右されるので、プレゼンの主題や目的を考えながら有効な情報が得られるようにします。
公表されている情報には、新聞、雑誌、カタログ、一般書籍、図書館の書籍、データなどがありますが、インターネットも広く活用されています。
インターネットは便利であり、簡単に多くの情報を集めることができますが、安易に利用すると、問題が生じることもあります。
誰にでも手軽に情報を発信できるインターネットは、すべての情報が信用できるとは限りません。内容が古くなってしまっていることもあります。
また、公表されている情報を利用するときは、いずれの場合も著作権があることに留意しましょう。
集めた情報にはいろいろなものがあるので、よく整理・分析して必要な情報と不要な情報にわけなければなりません。
整理した結果、まだ不足している情報があれば、さらに収集を続けます。
整理した情報は、プレゼン資料として使えるように箇条書きでまとめたり、図解、表、グラフに加工したりします。
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